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部分矯正

矯正歯科で行われている部分矯正とはどんな治療か、向いているタイプ、メリット、デメリット、治療法の種類などまとめました。

気になる歯を手軽に!ただし注意が必要な部分矯正とは

前歯のすきっ歯だけ治したい、出っ歯がちょっと気になる…そんな人におすすめなのが、部分矯正です。部分矯正では、ブラケットやインプラントなどの装置を歯の気になる箇所に入れることで、部分的に歯並びをキレイにすることができます。

全体的な矯正と比べると、費用が安く、治療期間も3ヶ月~1年ほどで済むのですが、重度のデコボコやガタガタの歯並びを治したい場合や、咬み合わせを改善するには向きません。

ピンポイントな見た目の良さは手に入るかもしれませんが、根本的な咬み合わせの改善はできません。さらに、動かした歯が元に戻りやすかったり、他の歯の不調につながったりするので、しっかりとしたカウンセリングと説明を受けてから治療を始めましょう。

こんな人におすすめ!

  • 前歯のちょっとした傾きやデコボコを治したい
  • 軽度のすきっ歯・出っ歯を改善したい
  • 歯並びの一ヶ所が気になる
  • より安い費用で口元をキレイに見せたい など

部分矯正のメリット・デメリット

メリット

  • 気になる部分だけを治すことができる
  • 短期間で一部の歯並びがキレイになる
  • 全体的な矯正より費用が安い(約3分の1ほど)

デメリット

  • 治療は軽度の症状のみに限定される
  • 噛み合わせや全体的な歯並びは改善できない
  • 重度の出っ歯やすきっ歯、八重歯にも向かない
  • 症状によっては治療後に後戻りしやすい

治療の種類

部分矯正は、治したい箇所や程度によって治療内容が変わってきます。基本的には、ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正のいずれの治療でも部分矯正が可能。以下に人気の高い2つの治療法をご紹介しておきます。

部分矯正(ワイヤー矯正)

  • 費用の目安:30~60万円 ※上下前歯12本に装着した場合

唇側矯正による部分的な治療方法。部分矯正では上下12本の前歯に装置を付けることが多く、治療は約半年~1年ほどで完了する。費用は全体的な矯正の3分の1ほど。

クイック矯正・プチ矯正

  • 費用の目安:50~80万円 ※上下いずれか6本に装着した場合

実際には歯を動かさずに、ラミネートベニアなどの人工歯を使って歯並びを美しく整える方法。2週間ほどで完了するので、短期間で一部の歯の形や位置を変えたい人、同時に歯を白くしたい人などから人気。

部分矯正の基礎知識

部分矯正に痛みはある?

歯列矯正はどんな方法であっても、歯並びを強制的に動かしていくものですので、多少の痛みや締め付けるような感覚はあるものです。ただ、部分矯正の場合は、全体的に矯正器具を取り付ける必要がなく、動かして矯正する歯も部分的なので、その分痛みや違和感が起こる範囲は狭くなります。

 

また、部分矯正はワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピースなどいろいろな方法が利用できます。マウスピースならば、歯が移動する時以外に痛みが生じることはありませんが、ブラケットを取り付けるワイヤー矯正や裏側矯正では、どうしても物理的に舌や唇の裏側が当たって痛みを感じることがあります。部分矯正ですと、特にブラケットを取り付けてある部分が気になってしまい、舌で触ったり口の中で刺激を感じてしまいがちですので、なるべく触らない、外側からぶつけたりしないというような注意をしていれば、気になるほどの痛みは起こらないと言えます。

 

部分矯正できない場合とは?

比較的費用が安くて矯正にかかる期間が短く、手軽にできるため人気の部分矯正ですが、全体的な矯正と比べて施術できない場合が多いのが難点です。その理由をいくつかご紹介します。

歯を抜かないと矯正ができない場合

部分的にデコボコしている歯並びを矯正したい場合でも、その並び方に差がありすぎて歯を抜かないといけない場合は部分矯正できません。部分矯正が可能なのは、前歯がガタガタしている場合や前歯に隙間がある場合、少しだけ歯が前に出ている軽度の出っ歯などです。範囲が狭くても極度のズレには対応できません。

噛み合わせに問題がある場合

前歯の歯並びだけを治したい場合でも、奥歯のかみ合わせが悪い場合は、部分矯正で治すことはできません。一見前歯にだけ問題があるように見えても、奥歯の噛み合わせがずれていることが原因のこともあるため、その場合は全体的な矯正をしないと根本的な解決にはなりません。一時的に矯正したとしても、またもとに戻ってしまうこともありますので、矯正するのならば全体的に行うことが必要になるでしょう。

上の前歯が下の前歯にかぶさっている場合

奥歯を噛み合わせた時に、上の前歯が下の前歯にかぶさっていることを過蓋咬合(かがいこうごう)といい、噛み合わせが深い状態にあります。前から見た時に、上の前歯で下の前歯がほとんど隠れてしまっていて、下の歯が上の歯茎を噛み込んでしまったり、顎関節症の原因にもなりかねないので、はやめに治療したほうがいいでしょう。これも一見前歯だけに問題があるように見えますが、上あご自体が前に突き出ている可能性もあり、きちんと治すには全体的な矯正が効果的です。過蓋咬合が重度の場合は歯を抜いて矯正する必要があるため、やはり全体的な矯正となります。

部分矯正は保険適用する?

部分矯正を選ぶ人は、できるだけ費用を抑えたいという人が多いので、保険適用されるかどうかも気になるところです。しかし、部分矯正に限らず歯列矯正は基本的に審美目的のため自由診療となり、保険適用されるには以下の条件を満たす場合のみに限られています。

部分矯正が保険適用される条件

  • 生まれつき異常がみられる先天性異常のうち、厚生労働大臣が定める23の疾患の場合。 (唇顎口蓋裂、鎖骨・頭蓋骨異形成、ダウン症候群、軟骨形成不全症等)
  • 顎の骨の形や大きさが原因で噛み合わせや顎の形が変わってしまう顎変形症の場合。

自由診療の場合でも医療費控除が受けられる

以上のように、保険診療を受けられる可能性は高くありませんが、自由診療の場合でも病気の治療のために医療費が年に10万円以上かかった場合には、医療費控除が受けられ、住民税が安くなったり所得税にかかる税率によって還付金を受け取ることができます。 矯正にかかるお金は安いものではありませんが、あまり費用を安くすることにとらわれずに、ご自分の歯並びに最適の矯正方法を選ぶようにしてください。